吉岡彌生の教え「医師としての心構え」
吉岡彌生は、人としてまた医師として守るべき教えを、学生たちに以下ように伝えたそうです。
※■○○の部分ははる蔵が勝手に解釈してつけた見出しタイトルです。
■髪の毛について
髪の毛は短く切るか束ねて、病人に触れないようにすること。
■得意になるな
白衣は一枚の布でしかないが、黴菌(ばいきん)の感染を防ぐ役目がある。ボタンを掛けずに前を開けたままで聴診器を振り回して、医者でございなどと得意になってはいけない。
■その靴で病人を運べるのか
緊急時に病人を背負って走ることができるような靴を履くこと。
■香水について
香水は病気に特有なにおいがわからなくなるので好ましくない。
■絶えず進歩せよ
ご隠居医者になるなかれ。医学は日進月歩であるから、機会があるたびに勉強して先進医学に追いつくこと。
■口先だけの医者
口先だけの医者になるなかれ。自分の技術の未熟なことを、おべっかや言い訳で取り繕ってはいけない。
■プロを目の前にしてもプロであれ
三人の医者の前でも、診察、治療方針を堂々と怯む(ひるむ)ことなく説明できるようにならなければいけない。
■あれこれ中途半端に手をつけるのではなく専門分野を磨け
八百屋医者になるなかれ。まず第一に自分の専門をしっかりとやりなさい。八百屋の店先のように沢山診察科目を並べても、あまり得意じゃない科で何か不都合があったとき専門まで信頼されなくなる。
■謙虚であれ天狗になるな
常に謙虚であれ、私が治してやったんだなどと言ってはいけない。偶然その場にいたからであって、他の人でもそのようなことができたかもしれない。
■めんどくさくても人が嫌がる仕事をせよ
女の敵は女である。女性同士が信頼されないようでは仕事にならない。人の嫌がる仕事を率先してやれば、いつかその人は認められるであろう。
■女性らしく
男性的な服装や言葉遣いで男子と張り合ってはいけない。女はあくまでも匂やかに女性らしく対応しなさい。
※第26回吉岡彌生記念講演会 中山年子先生(昭和26年卒業生)公演より
※このページは本記事掛川市「吉岡彌生記念館」に行ってみたの付加情報・補足ページです。